キタサンブラック -5歳編- 泥臭く、粘り強く。そして、繰り返す事のみ

author photo

Bytake0606

2017/12/29公開
kita3333.jpg2017年天皇賞(秋)GⅠ優勝馬キタサンブラック

キタサンブラック

性別 牡
毛色 鹿毛
生誕 2012年3月10日
父 ブラックタイド
母 シュガーハート
母の父 サクラバクシンオー

生産 ヤナガワ牧場
馬主 有限会社大野商事
調教師 清水久詞(栗東)

競走成績
生涯成績 20戦12勝
獲得賞金 18億7684万3000円



競走成績
kita.png
引用 - 競馬ラボ
https://www.keibalab.jp


2015年 3歳
キタサンブラック -3歳編- 最高の舞台で証明するために今ここにいる



2016年 4歳
キタサンブラック -4歳編- 最強世代はひとつで良い。コイツにも負ける気はしない



2017年 5歳
キタサンブラック -5歳編- キタサンブラック -5歳編- 泥臭く、粘り強く。そして、繰り返す事のみ


大阪杯 GⅠ

2017年 大阪杯 GⅠ キタサンブラック

5歳となる2017年、放牧開け初戦に選んだのは昨年と同じく第61回大阪杯。当レースは本年よりGⅠに昇格した。

鞍上は武豊。単勝2.4倍の1番人気に支持される。レースではまずまずのスタートを切り、道中は、最初の1000mは59秒6で逃げるマルターズアポジーを見るかたちで2、3番手に位置し、3コーナーから徐々に進出。

最終コーナー付近でスパートをかけ、直線に入るや、マルターズアポジーを交わして先頭に。その後も詰め寄るステファノス、ヤマカツエースを押さえ、2着となったステファノス以下13頭を引き連れゴール。GⅠとなった大阪杯初代王者に輝いた。


天皇賞(春) GⅠ

2017年 天皇賞(春) GⅠ キタサンブラック

大阪杯からひと月足らずで迎えた第155回天皇賞(春)。昨年からの連覇を狙うキタサンブラックと、有馬記念で熱戦を演じたサトノダイヤモンドの2強対決と目されて2.2倍の1番人気に支持された。

2枠3番から好スタートを切ると、戦前から大逃げを打つと宣言していたヤマカツライデンが最初の1000m、58秒3のハイペースで飛ばすが、早々に行かせ、2周目の1コーナーから向こう正面中間まで7、8馬身の差後方2番手で折り合う。

ここまで、マイペースで競馬を進め、向こう正面から3コーナーにかけ一気に進出するや4コーナーで先頭に立ち、直線、外から追い縋るシュヴァルグラン、サトノダイヤモンド振り切り、2着シュヴァルグランに1.1/4馬身差をつけ勝利しGI5勝目を飾った。

勝ちタイムは3分12秒5で、2006年の第133回天皇賞(春)で、キタサンブラックと同じく武豊鞍上ディープインパクトが記録した3分13秒4のレコード記録を0.9秒塗り替えた。

この勝利により、史上4頭目となる連覇を達成、また、本レース、1番人気に支持された馬は2006年、前述のディープインパクトが勝って以来勝利から遠ざかっていたが、キタサンブラックの勝利で11年ぶりに1番人気の馬が勝利した事となる。


宝塚記念 GⅠ

2017年 宝塚記念 GⅠ サトノクラウン

天皇賞(春)を連覇してから2ヶ月経ち、迎えた宝塚記念。ファン投票では、春中長距離GⅠレース3連勝が期待され、2009年ウオッカ以来となる10万票以上を獲得し、2位以下に2万票以上の差をつけ堂々の1位となった。

目下のライバルである、サトノダイヤモンドは凱旋門賞に専念のため回避。

また、出走頭数11頭と、少頭数となり最終オッズでは単勝1.4倍と完全な一強ムード。


レースでは、いつも通りのまずまずのスタート。道中、先行する2頭を前に見ながら外目を追走。4コーナーではシャケトラとともに進出していき、そこから突き抜ける展開にも見えたが、直線に入ると、ずるずる後退。

最終的に9着での入線となり、3歳時にドゥラメンテが勝利した日本ダービー以来の惨敗という結果に終わった。

手綱をとった武豊はレース後、「正直よく分からない。こんなの初めてなので残念です」「難しいですね、競馬は」とコメントを残した。そして、このレースを機に、馬主である北島オーナーは、かねてから予定していた凱旋門賞の回避を発表した。


関連記事

日本馬は凱旋門賞を制覇する事が出来るのか? ~非根幹距離でこそ、善戦マンよ再び~

宝塚記念とは、凱旋門賞挑戦選定レースとしての意味合いも強く、当レースで高いパフォーマンスを示した競走馬は、凱旋門賞でも、宝塚同様のパフォーマンスを示す傾向にある。

前年、宝塚2着ドゥラメンテがレース後に2度目の故障を発生し、引退を余儀なくされる。

同馬は、2度の故障により、凱旋門賞を挑戦する事が叶わなかったが、キタサンブラックがそのバトンを引き継いでいたようであったし、また、その後の結果も同様な感があった。

若き日のキタサンブラックの目標と言ってもいい、超良血馬ドゥラメンテ。

最後まで、勝利する機会が無かったが、ドゥラメンテが引退を余儀なくされた舞台にて、凱旋門賞を断念せざる負えなくなったのは、何の因果かと思う。


前述のサトノダイヤモンドは、フォワ賞4着に続き、凱旋門賞でも15着と大惨敗を喫す。

関連記事


凱旋門賞とは非根幹の鬼の日本馬でこそ ~凱旋門賞における日本馬競走成績~


日本馬は凱旋門賞を制覇する事が出来るのか? ~非根幹要素の準最強クラスでこそ~




秋は王道である、GⅠ天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念に出走し、その後引退すると発表された。


天皇賞(秋) GⅠ

2017年 天皇賞(秋) GⅠ キタサンブラック 

秋初戦の天皇賞(秋)ではゲートが開く前に突進してしまい出遅れるも、鞍上の武豊は慌てず騒がず、台風22号の接近による降雨のために、極度に荒れた馬場を他馬が嫌い避けていたインコースの進路を通り、ジッと我慢。

直線手前で先頭に立つと、弾けるような勢いで、内から馬場の真ん中へと独走。香港ヴァーズ、宝塚記念勝ち馬、重巧者のサトノクラウンや、こちらも重の鬼レインボーラインを従えゴール板を駆け抜けてゆく。

サトノクラウンをクビ差抑えて優勝し、GⅠ6勝目を挙げた。天皇賞春秋連覇は2007年のメイショウサムソン以来、10年ぶり史上5頭目、天皇賞3勝は2000年のテイエムオペラオー以来、史上2頭目の快挙となった。

勝ちタイム2分8秒3は距離が短縮された1984年以降で最も遅いタイムとなっており、タフな設定、タフな状況を覆しての素晴らしい勝利といえる。また、この勝利で総合獲得賞金を14億9796万1000円とし、ディープインパクトの14億5455万1000円を抜き歴代2位につけた。

関連記事


天皇賞(秋)・GⅠ - 最近いわれている程外枠不利ではない傾向も

天皇賞(秋)・GⅠ 反省会 -キタサンブラックが一番近いリアル-




ジャパンC GⅠ

2017年 ジャパンC GⅠ シュヴァルグラン

2012、13年に制したジェンティルドンナに次ぐ、史上2頭目の連覇が懸かったジャパンカップでは、サトノダイヤモンドが年内休養に専念する事により、出走しなかったこともあってか、最終オッズ2.1倍と、堂々の支持を得て1番人気に支持された。

レースでは、好スタートから積極的な逃げを計り、前年よりペースの速い逃げにはなったが、直線を迎えた手応えは前年と同様に見えた。

だが、残り200m付近、天皇賞激走の反動なのか、何時ものような粘り強さも無く、外から迫るシュヴァルグランに交わされ、さらに、ゴール直前では、2017年日本ダービー馬レイデオロにも交わされ3着に敗れた。

鞍上武豊はレース中に異変に気付き、レース後、陣営に落鉄の有無を確認したところ、左前脚を落鉄していたことが判明。武豊は「これも競馬だ」と落胆の意は示さず、「改めて全部勝つのは厳しいと思ったが、これ程の馬だから、ラストランの有馬記念は是が非でも勝ちたい」と、惜敗続きの有馬記念への雪辱に燃えるコメントをインタビューで残した。

関連記事


ジャパンC GⅠ -ノーザンファーム生産馬が断然良い。3歳馬、牝馬も侮れない-

ジャパンC GⅠ 反省会 -1年先を見据えた準備と素晴らしい結果-




有馬記念 GⅠ

2017年 有馬記念 GⅠ キタサンブラック

迎えた、自身最後のレースとなる有馬記念。



将棋の駒である“歩”を一つひとつ、ただただ真っすぐ進めるよう、着実に順位を上げてきた有馬記念。有馬記念の着順とは、キタサンブラックの歩みそのものと言ってもいい。

3連勝で挑んだ2015年皐月賞。同世代にいた超良血の化け物に面をくらった。また、つづく日本ダービーでも、その化け物の前に屈する。


キタサンブラックは血統的に言えば良血馬でもなく、それこそ、長距離GⅠを勝利してはいるが、スタミナ量が豊富か?と問われると、これも疑わしい。

ただ、かれら超良血馬に持ち合わせていないモノ一点張りで挑み続けた競走馬がキタサンブラックと言える。泥臭く、粘り強く。繰り返す事のみ。




最後の雄姿を見届けようと多くの観衆が中山競馬場に集まり、多くの競馬ファンの前で有終の美を飾った。

引退後は北海道の社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送ることとなっている。

関連記事

Comments 0

Leave a reply